「不透明な社会で生き抜く知恵を身に付ける勉強会」を開催します

私たちは、高度に複雑化・多様化した社会を生きています。そこでは、いつでも・どこでも・誰でも、従来の規範や制度に縛られず、自らの力と責任で自由を行使することができます。人によって程度の差はありますが、自由を行使することは、自らの幸福を追求する一つの有用な手段です。

 

他方で、あらかじめ定められた生き方のモデルはどこにも存在せず、選択基準が不透明な中、過剰に溢れる選択肢を前にして、どうすればいいか途方にくれてしまうこともしばしばです。社会の自由度が高まったからといって、個人の自由度も高まるわけではありません。自由な社会に生きる不自由な個人は多く存在するはずです。

 

このような不透明な社会において、個人が自由を行使するためには、過剰に溢れる選択肢を知り、その中から一つの選択肢を選ぶ力を身に付けることが必要です。

 

ですが、自由を行使するための教育を十分に受けてきたわけではない私たちにとって、これらは当たり前のようでありながらも、非常に困難なことです。一朝一夜で身に付けられるような力ではありませんし、コミュニケーション能力や問題解決能力などの言葉で割り切れるような単純なものではありません。

 

そもそも自由を行使する力の有無は、はっきりとした基準が無く、何かがそれを保証することはありません。そして、それはそのまま、自由そのものにも当てはまることです。自由を行使する力を身につけるためには、「自由とは何か」という問いに向き合うことが必然的に要請されます。自由についての深い理解無くして、自由を行使する力を身につけることは困難です。

 

加えて、私たちが生きる不透明な社会に向き合うことも必要不可欠です。自由を行使する場は、社会に他ならないのですから。社会についての深い理解無くして、自分なりの生き方のモデルを見出すことも困難です。

 

したがって、自由を行使する力を身に付けるためには、多くの学びが必要とされます。そして、そこには、自分一人の力ではどうにもならないことがたくさんあります。にもかかわらず、そのことに向き合う機会は、それほど多くありません。

 

このことは、学んだことを糧に、現実の様々な場面で試行錯誤し、自らの生き方を追求する際にも当てはまることです。しかし、そのような解答不可能な問題に向き合うことで、自らが望むような生き方を選び得ると私は思います。

 

これらを踏まえて、自由を行使する力を身に付ける意志を持つ者たちがお互いに助け合い、励まし合いながら、自らの生き方を追求する場を作りたいと私は考えました。そこでは、「不透明な社会で生き抜く知恵を身に付けること」を目標に掲げ、様々な実践に取り組みます。

 

まず、最初の取り組みとして、読書会を開催することにしました。

 

第一回目の読書会では、宮台真司さんの『14歳からの社会学』、そして坂爪真悟さんの『孤独とセックス』の2冊を取り上げます。この2冊を通して、私たちが生きる不透明な社会の見取り図と、そこで生き抜くための指針を皆さんと共に考えたいと思います。

 

宮台真司さんの『14歳からの社会学』では、いま私たちが生きている社会の実態とその社会が成立した過程を学ぶことができます。社会の変化を目の当たりにして来た宮台さんだからこそ語ることのできる深い人生論とそれを裏打ちする理論的な説明は、私たちが立脚すべきリアルを正確に突きつけています。

 

そして、坂爪真吾さんの『孤独とセックス』では、不透明な社会で生き抜く上での基本的な態度が学べるだけでなく、それを基に坂爪さんが展開する実践に至るまでの思考を丁寧に追体験することができます。これらは、現実での試行錯誤へと向かう最良の手がかりになり得るはずです。

 

読書会の参加については、どなたでも大歓迎です。また、読書会の運営にご協力頂ける方も募集しています。

 

ご質問等あれば、下記のメールアドレスよりお気軽にお問い合わせください。

 

皆さんのご参加を心よりお待ちしております。

 

<第1回 勉強会 概要>

 

〜日時〜

11月18日(日) 16時〜18時

 

〜課題図書〜

宮台真司『14歳からの社会学』(→https://www.amazon.co.jp/14歳からの社会学―これからの社会を生きる君に-ちくま文庫-宮台-真司/dp/4480430261/ref=sr_1_5?ie=UTF8&qid=1541568187&sr=8-5&keywords=14歳からの

坂爪真吾『孤独とセックス』(→https://www.amazon.co.jp/孤独とセックス-扶桑社新書-坂爪-真吾/dp/4594077447/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1541568270&sr=8-1&keywords=孤独とセックス

※課題図書は事前に読んで来てください。

 

〜場所〜

新宿 らんぶる

(参加人数によっては変更します。)

 

〜費用〜

参加は無料。飲食代のみ各自負担。

 

〜申し込み方法〜

「① 氏名、② 年齢、③ 属性」を明記した上で、下記のメールアドレスまでご連絡ください。

→「adanaas.6g@gmail.com

 

<今後の読書会の活動について>

はっきりとしたことはまだ決まっていませんが、以下のような文献を読んでいきたいと考えています。社会学者による著者が多めです。

勉強会の方針と合致した文献で、皆さんからのご要望があれば、検討致します。

 

宮台真司『日本の難点』

 

経産省『不安な個人、立ちすくむ国家』

 

鈴木健介『サブカル・ニッポンの新自由主義

 

平野啓一郎『私とは何か』

 

平田オリザ『わかりあえないことから』

 

鈴木弘輝『生きる希望を忘れた若者たち』

 

堀内進之介『感情で釣られる人々』

 

鈴木涼美『AV女優の社会学

 

坂爪真吾『「身体を売る彼女たち」の事情』